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主な症状とその治療

Medical

Medical主な症状とその治療について

うつ病、適応障害

原因・背景

うつ病

うつ病発症の原因はセロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンなどの脳内の神経伝達物質の働きが低下することであると指摘されています。日本人全体の7%程度が人生の中でいつかはうつ病を発生すると言われていますが、うつ病とは別に、何かしらのストレスによりうつ病と類似した症状を認める「適応障害」を含めるとそれ以上の方が、うつ症状を経験します。
うつ病は、一般的に20代の若年層、60代に特に起こりやすいとされていますが、適応障害も含めると生活の上で学校、仕事、家庭環境や金銭的な問題など社会的負荷が重い状態や、出産前後でも起こりやすく、どの年齢でも、誰でも起こりうる症状です。
脳がうまく機能しなくなると、実際にはたくさんある選択肢が見えなくなる「視野狭窄」が見られ、実際のストレス以上に負担を感じるようになります。
また、仕事を休みがちになっている方、他院に通院中で休職しているもののなかなか復職できない方についても症状の軽減に努め、生活レベルの回復に努めますのでお一人で悩まず、お早めにご相談ください。

症状・状態

  • 憂うつで、気分が重い
  • 何をしても楽しくない
  • 食欲がわかない
  • 不安が強い
  • 会社に行けない、あるいは行こうとすると頭痛や吐き気がする
  • 眠れない、あるいはいつもより早く目が覚める
  • 思考力や決断力が落ちる
  • 疲れやすい
  • 「消えてしまいたい」「死んでしまいたい」と思うことがある
  • 便秘や下痢、頭痛、胸痛、腹痛などの痛みを伴うなどの身体的症状がみられるなど

検査・治療

カウンセリング

治療は、それぞれの人の状況に合わせて行いますが、薬物治療とそれ以外の方法とに分けられます。薬物は神経伝達物質のバランスを整えるため抗うつ薬が第一選択薬になります。それ以外に現在の症状を改善するため抗不安薬、睡眠導入剤などが使われることがありますが、大切なのは薬物だけに頼らないことです。適応障害の場合は、ストレス原因を考えてそこから離れることで、心身ともに休息を取ることが最優先の治療となります。また、急性期症状が落ち着いてきたらストレス耐性を向上するために認知行動療法などのカウンセリングも有用な場合があります。

心身症

原因・背景

日本心身医学会によれば、心の問題や社会との関係が主因となって発症する体の病気が心身症であると定義されています。心理的・社会的因子が深く関わっていることを示しています。

症状・状態

心身症は、器質的若しくは機能的障害が認められる病態である、と説明されます。

検査・治療

検査装置などにより異常が確認できるものが器質的障害、運動や感覚の異常が機能的障害となります。
自身の情動に鈍感になり、自分や他人の気持ちを汲み取れないことでストレスを溜め込んでしまう失感情症、制御の限界を超えるストレスが掛かっても不具合が生じるまで頑張ってしまう過剰適応の二つが、心身症の誘因として考えられています。
また、消化性潰瘍や過敏性腸症候群、関節リウマチ、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などの身体疾患には、心身症の定義と重なる症状が認められますが、それら全てを心療内科の治療対象としているわけではありません。
診断については、身体的症状と心理社会的な要素との関係に着目します。病歴や生活習慣、日常的な行動などを観察対象とします。
身体的症状に対するものと心理的要素に対するものとでは、治療の方向性も異なります。例えば身体的症状であれば、プロトンポンプ阻害薬や喘息の治療薬などが用いられますが、心理的要素に対しては抗うつ薬の他、抗不安薬及びその他の向精神薬が処方されます。更に心理療法として、認知行動療法、自律訓練法、交流分析法などが採られる場合もあります。

 

認知症

原因・背景

認知症

厚生労働省は認知症について、「後天的原因により生じる知能の障害で、生後正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失し、日常生活・社会生活を営めない状態」と定義しています。つまり認知症は、病名ではなく、状態を表す言葉だということです。
その認知症の原因となる疾患の内、6割以上はアルツハイマー病であると言われています。アルツハイマー病は、アミロイドβやタウといった特殊なたんぱく質が脳に溜まることにより神経細胞が壊れてしまうことで起きる病気です。
それ以外の原因疾患としては、脳梗塞、脳出血など脳の血管障害により脳細胞の一部分が死んでしまう血管性認知症、脳の大脳皮質や脳幹にレビー小体という特殊なたんぱく質が蓄積して神経細胞が破壊されるレビー小体型認知症、脳の中枢を担う前頭葉と言語・記憶・聴覚・嗅覚などを担う側頭葉が萎縮して発症する前頭側頭型認知症などが挙げられます。
これらは変性性認知症と呼ばれる原因グループですが、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍など外傷や病気が原因となる二次性認知症と呼ばれるグループもあります。

症状・状態

認知症の症状は、中核症状と周辺症状とに分類されます。中核症状は、脳内の神経細胞に障害が生じて起こるもので、新しいことが覚えられない記憶障害、人の顔や時間、場所が認識できない見当識障害、論理的思考ができなくなる判断力障害、順序立って物事を進められない実行機能障害などが含まれます。本来の性格や生活環境、中核症状の進行具合などにより影響を受けるのが周辺症状です。妄想、失禁、焦燥、睡眠障害、介護抵抗などの症状があります。
認知症は、老化現象の一つである「物忘れ」と混同されることがよくあります。何を食べたか思い出せないのが物忘れであるのに対して、食事したこと自体を思い出せないのが認知症であると言われます。物忘れは、きっかけがあれば思い出すこともできますが、認知症にはそれがありません。

検査・治療

診断

認知症に関連する検査は、記憶、言語テストの他、血液検査、CTやMRIなどの画像診断、心筋シンチグラフィー、脳血流SPECT検査などが行われます。
認知症に対する治療には、認知機能の進行予防薬による薬物治療があります。抗コリンエステラーゼ阻害薬は内服薬及び貼り薬があります。
また周辺症状によっては、薬物療法によって大きく改善を期待できるものがあります。
当院では診断に基づいて、ご本人やご家族の不全感を軽減できるようにどのような方法を使えば良いかを一緒に考えさせていただきます。

 

更年期障害

原因・背景

女性の閉経の平均年齢は、日本人の場合52歳前後と言われます。更年期とは、閉経の時期の前後5年ずつの期間を指しますので、概ね45歳から55歳の間が中心ということになります。医学的には「生殖期から非生殖期への移行期で、卵巣機能が衰退から消失に至る時期」が更年期と定義されています。
更年期障害の原因ですが、女性ホルモンの急激な低下と自律神経のバランスの乱れによって起こるものと考えられています。女性ホルモンの激減を脳が感知し、反応することで様々な症状を引き起こします。自立神経の乱れは、血管収縮や低体温、血行障害を招き、原因の一つとなると考えられています。

症状・状態

更年期に現れる更年期障害については、これも医学的に「基質的変化に相応しない自律神経失調症を中心とした不定愁訴を主訴とする症候群」と説明されています。検査をしても異常が見つからず、のぼせ、ほてり(ホットフラッシュ)、全身倦怠感、不眠、不安、憂鬱、気分の落ち込みなどの症状によって日常生活が脅かされる状態のことです。

検査・治療

更年期障害に関する検査ですが、血液検査により女性ホルモンをチェックするのが一般的です。どんな症状がどの程度現れているかを自己診断する、更年期スコアという方法もあります。
更年期障害の改善にはいくつかのアプローチがあります。ホルモン補充療法は、女性ホルモンを補う薬物療法で、飲み薬、貼り薬、塗り薬として処方されます。骨粗鬆症や認知症に対する予防効果も認められています。抗うつ剤や安定剤はホットフラッシュに効果があるとされています。漢方薬は心と体のバランスを整えるもので、諸々の症状に対して処方されます。薬物以外の治療方法としては、生活習慣のコントロールが重要です。運動習慣やバランスの良い食事、規則正しい生活、過度の飲酒と喫煙の禁止などが挙げられます。セロトニンというホルモンの分泌を活性化し、イライラを解消する為に太陽の光を浴びることも推奨されます。

双極性障害(躁うつ病)

原因・背景

双極性障害

病名にある「双極」とは、「2つの極がある」という意味で、気分が高揚する「躁」状態と消沈する「うつ」状態を繰り返す病気です。そのため「躁うつ病」とも呼ばれています。
「うつ」しか現れないうつ病は抗うつ薬が第一治療薬ですが、双極性障害の場合は抗うつ薬を使うと症状が悪化する場合があります。そのためうつ病か双極性障害かの鑑別が必要ですが、双極性障害の60%以上はうつ症状で始まることが多く、躁の症状が目立たない場合もあり診断は難しいです。双極性障害は入院が必要となるほどの激しい躁状態を示す場合は双極I型障害、気分が高揚して普段より調子が良い程度の軽躁状態を示す場合は双極Ⅱ型障害、また抗うつ薬などの薬剤により引き起こされる薬剤性のものがあります。

症状・状態

更年期に現れる更年期障害については、これも医学的に「基質的変化に相応しない自律神経失調症を中心とした不定愁訴を主訴とする症候群」と説明されています。検査をしても異常が見つからず、のぼせ、ほてり(ホットフラッシュ)、全身倦怠感、不眠、不安、憂鬱、気分の落ち込みなどの症状によって日常生活が脅かされる状態のことです。

・「躁」の状態
  • 色々な考えが次から次へと出て多弁、多動になる
  • 「自分は偉い」「自分はなんでもできる」と感じ、色々なことに手を出す
  • 眠らなくても平気になり、睡眠時間が減る
  • 浪費が目立つ
  • 他人に対してイライラしたり、怒りっぽくなる
・「うつ」の状態
  • 憂うつで、何かをする意欲が落ちる
  • 何をしても楽しくない
  • 興味が持てない
  • 眠れない
  • 食欲が落ちる
  • 「消えてしまいたい」「死んでしまいたい」と思うことがある
  • 「自分はダメだ」「自分は価値が無い」と感じるようになる

一般的に、うつ病と同様に双極性障害でも将来の自殺企図の可能性があり、早期の治療が必要です。

検査・治療

薬

気分安定薬という、気分の波を小さくする薬が第一選択になります。双極性障害は再発性の高い病気です。薬物療法と並行して疾病への理解や心理教育を進め、症状の初期兆候を自覚したり、家族と共有したりすることがとても大切です。

不安障害

症状・状態

不安とそれに伴う身体症状が強く現れる症候群を不安障害と言います。この症候群には、パニック障害、全般性不安障害、分離不安障害、社会不安障害などの疾患が含まれます。パニック障害の発作が起こると、突然感じる不安や恐怖により、動悸、めまい、呼吸困難などの症状が現れます。ただ、症状の消失も早いので、検査しても異常は見られないことがよくあります。全般性不安障害は、これといった対象が無いのに不安が半年以上続くような状態に陥ります。本人や周囲も不安を抑制できません。分離不安障害は、幼児期に発症する不安障害です。特に母親への依存が強い場合、依存対象から離れることへの強い不安を感じます。社会不安障害は、他者との交流の場における不安障害で、対人恐怖、赤面恐怖、会食恐怖などの症状を伴います。
不安障害の原因は解明されていません。脳の機能の異常といった身体的要因、或いはストレス、ショック体験、心労、過労などの心理的要因、幼少期の緊張感の高い親子関係などが要因として推定されています。

治療

不安障害の治療には、不安症状を抑える効果の強い抗うつ薬を中心として治療が行われます。脳内セロトニンを増やし、神経回路のコントロールを図るものです。同時に運動、睡眠、食事などの生活環境の改善も不安の解消に繋がります。また、急性期症状が落ち着いてきたら認知行動療法などのカウンセリングも有用な場合があります。一般的に、不安障害は他の精神科的疾患と比べて予後がいいとも言われています。急性期は薬物療法で目の前の不安症状を抑えることが有用ですが、「不安がまた出てくるんじゃないか」という不安という悪循環を断ち切ることができれば、薬剤を用いなくても症状が見られなくなる事も期待できます。

 

統合失調症

原因・背景

統合失調症

統合失調症は、幻聴や妄想といった症状が特徴的な病気です。およそ100人に1人の割合と頻度の高い病気ですが、新薬の開発により多くの方が回復できる病気になりました。
統合失調症は、自分の心や考えがまとまりづらくなってしまう病気です。陽性症状といって健康な時には無かった症状が現れるケースと、陰性症状といって健康な時にあったものが失われるケースとがあります。原因は明らかにされていませんが、遺伝的要因や幼児期のストレスにより、ドーパミンなどの脳内の神経伝達物質が過剰になるなどのものが原因であると考えられています。

原因・病態

  • 周囲に誰もいないのに人の声などが聞こえてくる
  • 人に見られている気がする
  • 自分の意思に反して、考えが勝手に出てくる
  • 思ってもいない考えが、突然勝手に出てくる
  • 得体のしれない何かに追い詰められている
  • 表情が乏しくなる
  • 意欲や気力が低下し、興味や関心を示さなくなる
  • 光がまぶしい、物音がうるさく感じる
  • 言葉数が極端に少なくなる

検査・治療

検査

正確な診断が下せる単一の試験は存在しませんが、統合失調症に類似の疾患を除外する為、血液、尿、脳波、髄液などの検査が行われます。CTやMRIなどの画像検査もあります。
症状の緩和を目的として、薬物治療、心理社会療法が行われますが、うまく組み合わせることが重要です。近年では、統合失調症に対する薬剤の進歩は目覚ましく、初発であれば薬剤の定期使用により、発症前と同等の生活レベルに戻ることも期待できます。
ただし、薬剤を中断してしまったり、未治療の状態が続いていると、後で治療を開始しても生活レベルの低下が防げない場合が多いため、継続した治療が求められます。
治療薬としては、内服薬に加え、4週間に1度程度の注射を行う方法や、毎日体に貼る貼り薬の形状などが開発されています。心理社会療法としては、認知行動療法や疾病教育、対人関係スキルを回復させる生活技能訓練、園芸、料理、木工などの作業療法などが取り入れられています。

 

摂食障害

原因・背景

摂食障害には、食事を摂らなくなる拒食症と、大量に食べてしまう過食症の両方が含まれます。これらは単なる食欲の異常ではなく、体重や体形への異常な固執といった心理的要因が背景にあると考えられます。

症状・病態

摂食障害のサインとして見落とせない兆候がいくつかあります。体重が標準体重の80%以下に落ちている、月経が来ない、深夜など家族のいない状態で大量に食べることを止められない、逆に食べたものを無理やり吐き出そうとする、これらは摂食障害の可能性を多分に示唆しています。
摂食障害は社会的、心理的要因が複合的に絡み合って発症することが多いので、単一の原因で起こるものではりません。ダイエット、成績の低下や受験の失敗、家庭環境の問題や性的被害など諸々の要因が推定されます。

検査・治療

摂食障害は特定の検査で診断が下せるものではないので、問診が重要です。食生活や生活パターン、養育歴などが調べられます。血液検査によって甲状腺機能障害などの他の疾患を除外することも行われます。
治療に於いては、心理面での改善に重きが置かれます。認知行動療法といって、パターン化した考え方・行動をセラピストと一緒に整理し、必要に応じて他のパターンを見つけていく方法が試されることもあります。
摂食障害の治療には、家族や友人など周囲の人の協力が欠かせません。

大人のADHD

原因・背景

大人のADHD

生まれつき脳の発達が通常と異なる場合、発達障害と言われます。発達障害には、自閉症、アスペルガー症候群、学習障害などが含まれています。ADHD(Attention-deficit hyperactivity disorder)は、別名、「注意欠陥/多動性障害」と呼ばれる病気で発達障害の一つとされています。
一般的に成長とともに症状は落ち着いてくる場合もありますが、改善しないまま大人になってしまうのがADHDの特徴です。従って、「不注意」「多動性」「衝動性」というADHD固有の3つの症状は、子ども、大人それぞれに於いて現れます。

症状・病態

上記にお示し致しましたように「不注意」「多動性」「衝動性」というADHD固有の3つの症状であり、子ども・大人それぞれに於いて現れます。

・不注意

「不注意」は、子どもでは勉強や日々の生活に際してのケアレスミス、大人では、仕事上の不注意によるミスとなります。また子ども、大人に共通しますが、忘れ物・無くしものが多い、時間管理ができない、順序立てた作業が苦手といった傾向を示します。

・多動性

「多動性」の場合は、子どもでは、落ち着いて座っていられない、おとなしく遊びに参加できないのに対し、大人になってからは貧乏ゆすりなどに現れます。

・衝動性

更に「衝動性」は、子どもでは質問が終わらないうちに答えてしまう、欲しいものがあると激しくダダをこねる、といった傾向が見られ、大人では思ったことをすぐ口に出す、衝動買いといった行動に繋がります。

検査

大人のADHDは、社会生活上の困難を抱えることになります。周囲の適切なサポートを受ける為にも正しい診断を受ける必要がありますが、最初は小児神経科、小児精神科を受診するのが良いと考えられています。診断を受けるに際しては、日頃の行動や生活パターンなどについてのメモや子どもの頃の通知表、ADHDチェックシートなどを持参すると役に立ちます。
専門医による問診では、生活習慣、日常行動、既往歴、悩みなどについて聞かれます。身体検査や生理学的検査も行われます。ADHDの発症原因については、まだ完全に解明されてはいません。指摘されているのは、前頭前野を含む脳の働きに偏りが生じていること、ドーパミン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質の働きが不足していること、などです。

治療

診察

ADHDの治療は、日常生活上の困難やトラブルを軽減することが目的となります。心理社会的治療と薬物療法が中心となります。心理社会的治療は、生活環境の調整や人間関係の見直しなどによるもの、及び認知行動療法という、偏った考え方の改善、コミュニケーションにおける作法の習得、ソーシャルスキルの学習といった方法から成り立っています。また、薬物療法においては、選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤や中枢神経刺激剤などが使われています。
ADHDはまだ社会的には完全に認知されておらず、日常生活や職場でも冷たい目をされることもあると思います。薬物加療を中心にちりょうによって症状は大きく改善される場合もありますので、一度受診されることをご検討ください。

アルコール依存症

原因・背景

日本の飲酒人口は6,000万人程度と言われていますが、このうちアルコール依存症の患者は230万人程度であると言われています。飲酒者の26人に1人がアルコール依存症という計算になり、精神疾患の中でも罹患率が高い病気であるとも言えます。(参考までにうつ病の生涯有病率は15人に1人から7人に1人、統合失調症は100人に1人と言われています。また、糖尿病患者は700~800万人と言われています。)
また、体格やホルモンの影響から男性よりも女性の方が少量の飲酒で依存症に陥ってしまう危険が高いと言われています。

原因・病態

  • 禁酒したいのにできない
  • 二日酔いがあるのに、朝から飲酒してしまう
  • 酒を飲まないと、イライラ、動悸、冷や汗、不眠、手の震えがみられる(離脱症状)
  • 飲酒が原因で仕事環境や人間関係が悪化したり、体の症状が悪化している
  • 周りの人間からお酒についてやめるように言われている

治療

アルコール依存症は、一人で治療することはほぼ100%できないと言われています。それは、酒を飲まないことによる「離脱症状」があることが主な原因となります。以前は、アルコールを摂取しないために「抗酒薬」という酒を飲んだら気持ち悪くなるようにする薬を処方されることもありましたが、現在の知見では基本的にこの薬は用いません。

アルコール依存症は、次の3点が初期治療に有用であると考えます。

  • 酒を飲まない環境、飲みにくくする環境を作ること
  • 酒を飲まないことで起こる症状を抑えること
  • ③酒を飲みたい気持ちを抑える薬を併用すること

アルコール依存症の治療経験は豊富ですので、是非ご相談頂けると幸いです。(ご本人のみ、ご家族との同伴どちらでも受診を受け付けますが、ご本人の受診同意が必要です。)

睡眠障害

原因・背景

睡眠障害

日本人の5人に1人が不眠の症状に悩んでいると言われています。眠れない症状の辛さはそうでない人に理解されにくいですが、苦痛を伴うものです。
睡眠障害と診断するケースは、何時間以上寝たかどうかで定義するのではなく、本人が安眠・快眠できないと自覚する状態が判断材料となります。
睡眠障害は誰もがなる可能性があり、他の精神症状を伴わない場合もありますが、うつ病や不安障害など他の精神疾患の症状の一つとして不眠症状が現れることもあります。

原因・病態

  • ストレスや不安が原因でなかなか眠れない(入眠困難)
  • 途中で目が覚めてしまい、そこからなかなか眠れない(中途覚醒)
  • 十分な睡眠時間を取っているが、眠りが浅く寝た気がしない(熟眠困難)
  • 寝つきはいいが、朝早くに目が覚めてしまう(早朝覚醒)
  • 夜に寝られないが、日中に長い時間寝てしまい日常生活に支障をきたす(昼夜逆転)

治療

カウンセリング

不眠の原因検索をしたのち、他に原因がありそうならばそれの改善を図ります。
生活習慣を聴取したうえで、睡眠障害の原因となっている事を考え、改善できるようなアドバイスを致します。また、睡眠の状況を改善するために薬物療法を行う場合もあります。
薬物療法は、睡眠薬によっては依存性やだんだん効きが悪くなるものがあり、漫然とした処方は危険です。当院では、副作用や依存性の小さい薬剤を作用メカニズムを含めてご説明いたします。

 

身体表現性障害

原因・背景

身体表現性障害とは、精神的な潜在的負担やストレスが原因で、身体の病気と思われるような身体症状がみられるものです。これらの症状を感じると、まず多くの方は症状に伴う身体科を受診されると思いますが、身体の診察や検査では問題ないと言われ辛い思いをされると思います。原因としては、ストレスによる脳内の神経伝達物質の働きが低下することにより、並行して痛み刺激を抑制する神経(下行性疼痛抑制線維)の働きが弱まることによるなど解明されてきているものもあります。

原因・病態

  • 頭痛、肩痛、胸痛、腹痛、腰痛など痛みがある
  • 便秘や下痢などの消化器症状
  • 疲れやすい、体がだるい

などの症状があるが、身体科で問題がないと言われた、もしくは精神的なストレスが思い当たる場合

治療

痛み刺激を抑制する神経の働きを正常に戻すことにより症状の改善が期待できます。セロトニンと、ノルアドレナリンの分泌の回復を図るために、それを期待できる抗うつ薬の処方が有用であることが分かってきています。

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